- 日本のこと
上海にて 時代は変わる
最近、『竜馬が行く』(司馬遼太郎)を読んだ。
素直に感動しました。
幕末の志士が、革命を思い立った要因の一つに「諸外国にむさぼられる清(中国)を見たこと」が挙げられるという。
イイトシして、今更そんなことを改めて知った私。
2年ぶりの上海で空いた2時間を、むさぼられた街の象徴である、外灘(ワイタン)地区を歩くことに充てることにした。
有名すぎて、説明するまでもない場所。
昨今は中国の田舎から出てきた集団で、埋め尽くされている。
ネオバロック建築好きの私は、これまで数えられないほどこの地区を歩いた。
今回は新たな知識が加わり、一人灌漑深い思いで、歩かせてもらった。
「フランス租界」等と言えば、今の時勢なら格好いい。
しかし当時の政治実態は、国家という輪郭を持つ以前のアジア各国を、欧米がむさぼっていただけだった。
その時代の建築も、今は「文化」という名目で、保護され、そこに世界中の観光客が集まる。
時代は変わる。
2年ぶりの上海。
2時間の散歩でPM2.5をたっぷり吸いつつ、そんなことを考えました。