• 社会のこと

『待つ』思い

駅で子供と待ち合わせることになった。
まだ携帯電話を持つ年齢ではないので、時間と場所を決めた。

小さい子を待たせるわけにいかないので、私が少し早く着いた。
時間になっても現れなかったが、元々遅れることも予定に入っていたので、私はその場所でただ待った。

『いつ来るか分からない人を、ただひたすら待つ』
相手はケイタイを持たない子供なので、のんびり待つしかない。
でもそんな時間の使い方が気持ち良かった。

携帯電話は、本当に社会を便利にしたのだろうか。
こればかりはいつも疑問に思っている。
携帯電話は、時間や場所の設定を確実にルーズにした。
それは人と人の繋がりが、稀有になる必要条件だ。

相手を思い、ひたすら待つ。
待っている人を思い、遅れないように準備して向かう。

せめて自分の子供には、そう教えようと思う。

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