さよなら初代NC旋盤
今から約30年前。
時代はバブルの頂点が見えかかっていた頃、木山製作所でも本当に忙しく、それはそれは順調でした。
しかし、営業を担当していた当時の専務は「このままの設備では絶対に取り残される。無理してでも、仕事が無くても将来の為にNC旋盤を導入するべきだ」と主張します。
しかししかし、当時の現場を見ていた社長と常務は猛反対。
「カム式旋盤がこんだけ順調なのに、なんで1500万円もかけて仕事が無い機械を入れるんだ」と。
もめた末、結局営業サイドが「お客さんの要求」と言う理由で押し切って、1500万円するNC旋盤を2台導入しました。
当時はオペレーターもいませんから、全て1から手探りでの加工。
職人が手作業で作った方がよっぽど早いであろう単純な加工品も、勉強の為と何倍も時間をかけて、NC旋盤で製作していました。
その後時代の波が来て、もう1台、もう1台・・・と増えていきました。
そしてこの度、ついにその『初代NC旋盤』が処分されることとなりました。
1982年のラベルがついているので、今年28歳。お疲れ様でした。
この機械を見ると、『28年前に無理してNC旋盤を導入することが決断できなかったら、その10年後にもう会社は無かっただろうなぁ』という教訓を思い出させてくれます。
その機械が運ばれていくところを見ていて、あらためて企業の存在意義は「お客さんの要求に答える」だなぁと感じました。
さよなら初代NC旋盤。
そして、初心忘れるべからず。
また新たなステージに入ります。
今度は何を決断することが、30年後を決めるのか、それはそれで楽しみです。