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最初の笛
Jリーグの試合で、審判を務める顔に見覚えがある。
ワールドカップブラジル大会で、主審を務めた、西村審判だ。
しかも開幕戦を日本人の審判が務める、と言うことで、メディアでも話題になった。
開幕戦は、地元ブラジルとクロアチアの一戦。
攻撃も守備ともに両チームが激しく激突し、高いレベルで均衡を保っていた後半26分に、それは起こった。
西村主審の笛が鳴った。
その微妙な判定に、クロアチアの選手は、西村主審に激しく詰め寄った。
しかし、毅然とした態度で、黄色い札を掲げた。
このために、クロアチアは1点を失った。
大会が始まって初めてのカード。
この判定が今大会の基準となる、ともいえる。
確かに微妙な判定だった。
しかし大会を追うごとに、今大会の判定の方針が見えてくる。
西村主審の笛も、その基準を満たしていることが、後々分かった。
国の威信がかかっている。
そこで最初の笛を吹くのは、どれだけの責任と自信が込められているのか。
私には計り知れない。
そんな西村主審を生で見ただけで、なんだか興奮してしまった。