- ひとりごと
月夜に導かれ
『月夜』
それ自体が季語。
秋の乾燥した空気、うっすらと雲。
ついそんな夜空に連れ出される季節。
今年の夏は、36度を超える日が続いたと思ったら、九月に入る頃には連日の大雨。
夏を満喫できなかった分、秋の月夜が気持ちいい。
18時を過ぎ、会社を出ると、目の前に巨大な月が赤々と存在していた。
駅までは住宅街の道のり。
部屋着のまま、サンダルつっかけて、家の前に立つ主婦。
ウォーキング中に足を止める老夫婦。
みんな月夜に導かれていた。
帰宅後、夕飯そこそこ、台所からは、みたらし団子のタレが煮詰まる香り。
乾いた空気と、団子の焼ける香りに導かれ、屋上にキャンプ用の椅子を広げた。
月の周りには、時々雲がまとわりつく。
2本目のビールを終えるころ、月は左から右に大きく移動していた。
今宵月夜に導かれ、月曜からちょっと飲みすぎたな。