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英知の場で
根津に暮らし始めて、1年半。
冬晴れの休日の朝、犬の散歩で、東京大学へ。
明治維新の時代から、日本の英知を集めたこの地。
敷地のあちこちには、その痕跡をのぞかせてくれる。
中でも今回目に留まったのは、宇宙関連。
1950年代日本ロケットの基礎を作った、ペンシル型ロケット。
そして隣には、日本初の人工衛星「おおすみ」。
写真ではわかりづらいが、どちらもバッチリ旋盤モノじゃん!
材質はおそらくステンレスだろう。
今のようなNC制御なんか無い時代。
そんな環境で、こんな綺麗な曲線と、綺麗な挽き目、どうやって加工したんだろう…。
当時のステンレス加工はやっぱりバイトは手作りかなぁ…。
どうやって測定したんだろうか…。
そんな思いを馳せながら、いつまでも覗き込んでそこを離れない私を諦め、犬はその場に座り込んでしまった。
安田講堂の前の銀杏並木は、紅葉のピークを過ぎ、足元が金色の絨毯となっていた。
日本の英知が集まるこの場所で、旋盤も少しは役に立ってるんだと思う。