• 社会のこと

40年来の風景に思う

正月には、私の両親の下に集まることが習慣になっています。
両親の家は、私の家からスカイツリーを通って、そのちょうど反対側にあります。
実家からの帰り道、酔を覚ます目的で、徒歩で帰りました。

外の空気はキンキンに冷えていましたが、風が全くなかったため静かでした。
スカイツリーに近づくと、川に逆ツリーが綺麗に写っています。

私の子供時代、梅雨時期なると、この川からヘドロの匂いがしていました。
東京の下町には、高度成長期の跡が、まだしっかり残っていました。

大人になる頃には、行政により、ヘドロの匂いはなくなり、川岸が遊歩道として整備され始めました。

そしてオジさんになった頃、スカイツリーが完成。

ただ単に「お金を出したから高い塔が建った」だけでなく、街の成長・進化という歴史があって、その上に新しい文化があるからこそ、そこに価値があるのだなぁ。そんなことを思いながら歩いていました。
それは同時に、自社に設備を入れたり人を雇ったりするだけで、利益が増えるわけではないよなぁ、やっぱり「成長だ」という思いとして、酔払いの頭の中で繋がっていました。

高度経済成長期の後始末である、ヘドロの除去開始から40年。
我々世代はその後始末に追われてきた思いだったけれど、ついにはそこに新しい文化が生まれることに、希望を感じる。
更に考えてみれば、その前には「戦後」という厳しい時代があったわけで。

とにかく、希望を持って少しずつ前進すれば良いんだ、思いました。

そこに文化が付いてくると思います。

#