- 加工技術
低融点合金の可能性その2
低融点合金でワークを固定し加工する企画その2です。
前回は低融点合金を冶具に流し込みワークを固定するまでを紹介しました。
ワークを固定した冶具をマシニングセンタに固定し加工します。
それでは実際に加工してみます。
結果がこちら。
ワークが動くことも無く、しっかり加工できているようです。
いよいよワークを冶具から外します。
冶具を湯煎します。
すると低融点合金が溶けてワークが浮き上がりました。
完成しました。うまくいきました。
低融点合金によってワークを固定し切削加工する事出来ました。
ただし、低融点合金によるワークの固定は万能ではありません。
使ってみて感じたメリット・デメリットをまとめます。
メリット
・複雑な形状のワークの固定が出来る
・冶具の設計が簡単
・小さなワークの固定に有効
デメリット
・ワークの脱着に手間がかかる(合金を溶かして流しこむ、再度溶かして外す)
・量産には向かない
・大きなワークの固定には不向き
デメリットもありますが、とても魅力的な素材である事は確かです。
今後も低融点合金の可能性を探っていきたいと思います。
それにしても、このような固定方法を思いつく先人の知恵には頭が下がります。